相続した実家や、長期間使っていない空き家を所有していると、「この家を賃貸にした方がいいのか、それとも売却した方がいいのか?」と悩む方は少なくありません。
特に、思い入れのある実家を手放すことに抵抗がある一方で、誰も住んでいない家をそのまま所有しているのも負担になるというケースがあります。
空き家を賃貸にすれば毎月家賃収入を得られる可能性があります。一方、売却すればまとまった資金を得られ、固定資産税や建物の維持管理など、所有することによる負担から解放されます。
では、空き家は「賃貸」と「売却」のどちらがよいのでしょうか?
結論からいうと、すべての空き家に当てはまる正解はありません。
建物の状態、立地、リフォーム費用、賃貸需要、売却価格、今後の管理負担などを総合的に考えて判断する必要があります。
今回は、空き家を賃貸にするメリット・デメリットと、売却するメリット・デメリット、それぞれに向いているケースについて解説します。
空き家を賃貸にするメリット
まず、空き家を賃貸にするメリットを見ていきましょう。
①毎月の家賃収入が期待できる
賃貸の大きなメリットは、入居者が決まれば毎月家賃収入を得られることです。
例えば、月8万円で貸し出せれば、年間では96万円の家賃収入になります。
ただし、家賃がそのまま利益になるわけではありません。
固定資産税、火災保険、修繕費、管理費、入居者募集にかかる費用などが発生する可能性があります。
また、空室期間が発生すれば、その間は家賃収入がありません。
「家賃8万円だから年間96万円儲かる」と単純に考えるのではなく、実際にかかる費用を差し引いて考えることが重要です。
②思い出のある家を残せる
相続した実家の場合、「売ってしまうのは寂しい」と感じる方もいます。
賃貸にすれば、建物を残したまま活用できるため、思い出のある家を手放さずに済みます。
将来的に自分や家族が住む可能性がある場合には、賃貸という選択肢を検討する意味があります。
③将来的な売却もできる
賃貸にしたからといって、永久に賃貸経営を続けなければならないわけではありません。
入居者との契約関係などを確認する必要はありますが、将来的に売却を検討することもできます。
そのため、「今すぐ売るのは迷っている」という方が、一時的に賃貸として活用する方法もあります。
空き家を賃貸にするデメリット
一方で、空き家を賃貸にするには注意点もあります。
①リフォーム費用が必要になることがある
長期間空き家だった住宅の場合、そのままでは入居者を募集するのが難しいことがあります。
壁紙、床、水回り、給湯器、エアコンなどの修繕や交換が必要になるケースもあります。
例えば、数百万円かけてリフォームしたとしても、家賃収入だけでその費用を回収するには長い期間が必要になることがあります。
そのため、賃貸にする前に「いくらかけて、いくらの家賃で貸せるのか」を確認することが重要です。
②入居者や建物の管理が必要
賃貸にすると、入居者から設備の不具合などについて連絡が入る可能性があります。
給湯器が故障した、水漏れが発生した、エアコンが動かないなど、所有者として対応が必要になることもあります。
遠方に住んでいる場合は、自分で対応するのが難しいため、管理会社に依頼することになります。
③空室になる可能性がある
賃貸物件は、必ず入居者が見つかるとは限りません。
特に駅から遠い、築年数が古い、駐車場がない、周辺に賃貸需要が少ないなどの物件では、入居者募集に時間がかかる可能性があります。
「空き家だから、とりあえず貸せば家賃が入る」と考えるのは危険です。
空き家を売却するメリット
次に、空き家を売却するメリットを見ていきましょう。
①管理の負担から解放される
空き家を所有していると、定期的な換気や清掃、庭の草刈り、雨漏りの確認などが必要になります。
遠方に住んでいる場合、空き家の管理だけでも大きな負担になります。
売却すれば、原則としてその不動産を所有することによる管理負担から解放されます。
「実家に行くために毎回何時間もかかる」という方にとって、これは大きなメリットです。
②固定資産税などの負担をなくせる
不動産を所有している限り、固定資産税などの負担が発生します。
さらに、建物が古くなれば修繕費が必要になることもあります。
空き家を所有し続けることは、使っていない家であっても一定のコストがかかるということです。
売却することで、こうした所有に伴う負担を減らせます。
③まとまった資金を得られる
売却すれば、賃貸のように毎月少しずつ収入を得るのではなく、売却代金としてまとまった資金を得られます。
相続人が複数いる場合には、売却代金を相続人間で分けることを検討するケースもあります。
また、住宅ローンやリフォーム費用、生活資金など、売却によって得た資金を別の用途に活用できる点もメリットです。
空き家を売却するデメリット
もちろん、売却にもデメリットがあります。
一番大きいのは、一度売却すると、その家を自分の所有物として残すことができないという点です。
特に実家の場合、「思い出があるので手放したくない」という気持ちがあるかもしれません。
また、売却時には仲介手数料や登記関係費用、場合によっては測量や解体などの費用が発生することがあります。
ただし、これらの費用は物件や売却方法によって異なります。
「売却するといくら手元に残るのか」を確認してから判断することが大切です。
賃貸と売却、どちらが向いている?
では、どのような空き家が賃貸に向いているのでしょうか?
一般的には、
・賃貸需要が見込める立地
・大規模な修繕が必要ない
・リフォーム費用を抑えられる
・駐車場がある
・駅や商業施設などへのアクセスが良い
・将来的にも所有したい
といった住宅は、賃貸を検討しやすいでしょう。
一方で、
・築年数がかなり古い
・大規模な修繕が必要
・賃貸需要が少ない地域
・遠方に住んでいて管理できない
・今後住む予定がない
・固定資産税や維持費が負担になっている
という場合は、売却を検討するメリットが大きくなります。
「家賃」と「売却価格」を比較してみる
賃貸か売却かを決めるときは、単純に「家賃が入るから賃貸」と考えず、両方を数字で比較してみましょう。
例えば、空き家を1,500万円で売却できるとします。
一方、賃貸にすると月7万円の家賃が見込める場合、年間家賃は84万円です。
しかし、ここから固定資産税、管理費、修繕費、空室期間などを考える必要があります。
さらに、賃貸にするために300万円のリフォーム費用が必要なら、実際の収益性は大きく変わります。
このように、
「いくらで売れるのか」
「いくらで貸せるのか」
「修繕費はいくらかかるのか」
「年間の維持費はいくらか」
を比較することで、より現実的な判断ができます。
千葉県の空き家はエリアによって需要が違う
千葉県で空き家を活用する場合、地域によって賃貸需要や売却需要が異なる点にも注意が必要です。
千葉市・船橋市・市川市・松戸市・柏市・流山市などでは、駅周辺や生活利便性の高いエリアを中心に賃貸需要が期待できる場合があります。
一方、四街道市・佐倉市・八千代市・習志野市・大網白里市・東金市・茂原市などでも、戸建て住宅の需要がありますが、駅からの距離や周辺施設、駐車場の有無などによって物件ごとの差が出ます。
そのため、「千葉県だから賃貸が向いている」「地方だから売却した方がいい」と一括りにするのではなく、物件ごとに判断することが重要です。
売却と賃貸を両方査定してもらうのもおすすめ
「賃貸か売却か決められない」という方は、最初からどちらか一方に決める必要はありません。
まず、
「この家はいくらくらいで売れるのか?」
「賃貸ならいくらくらいの家賃が見込めるのか?」
という2つの視点から調べてみましょう。
売却価格と賃料相場が分かれば、将来的な収益や管理負担を比較できます。
また、築年数が古い空き家の場合、「賃貸にするために300万円かけてリフォームするより、現状のまま売却した方がいい」というケースもあります。
逆に、比較的状態が良く、賃貸需要が高い物件なら、賃貸として所有するメリットが大きい場合もあります。
空き家を放置したまま判断しないことが大切
最も避けたいのは、賃貸にするか売却するか決められないまま、空き家を長期間放置してしまうことです。
空き家は人が住んでいないことで、換気不足や雨漏り、カビ、シロアリ、雑草、設備の故障などに気付きにくくなります。
建物の劣化が進めば、売却する場合でも修繕や解体などに費用がかかる可能性があります。
「まだ決めていないから何もしない」のではなく、まず現在の建物の状態と不動産価値を把握しておきましょう。
株式会社INfinityでは空き家の売却相談を承っています
株式会社INfinityでは、千葉県内の空き家・相続不動産・中古住宅などの売却相談を承っています。
「相続した実家を賃貸にするか売却するか迷っている」
「リフォームして貸した方がいい?」
「古い空き家でも売却できる?」
「遠方に住んでいて管理できない」
といったご相談にも対応しています。
千葉市・船橋市・市川市・松戸市・柏市・流山市・習志野市・八千代市・四街道市・佐倉市・大網白里市・東金市・茂原市など、千葉県内の空き家について、土地・建物の状態や立地などを確認し、売却方法を検討することが大切です。
まとめ
空き家を「賃貸にするか、売却するか」は、家賃収入だけで判断するのではなく、リフォーム費用、維持管理費、固定資産税、空室リスク、将来的な不動産価値などを総合的に考える必要があります。
賃貸は、建物を残しながら家賃収入を得られる可能性がある一方、入居者募集や修繕、管理などの手間が発生します。
売却は、まとまった資金を得られ、管理や維持費の負担から解放される一方、思い出のある家を手放すことになります。
特に相続した空き家の場合は、「いくらで売れるのか」「いくらで貸せるのか」を比較してから決めることがおすすめです。
「賃貸にするか売却するか迷っている」という方は、まず不動産会社に相談し、現在の売却価格や賃貸需要を確認してみてはいかがでしょうか。
空き家をそのまま放置するのではなく、自分や家族にとってどの方法が一番負担が少なく、メリットが大きいのかを考えることが、空き家を有効活用する第一歩です。


