「相続した空き家を売りたいけれど、かなり古いから査定が安くなりそう……」
「長期間放置していたけど、どこを見られるの?」
空き家を売却するとき、このような不安を感じる方は少なくありません。
空き家の査定では、建物の築年数だけで価格が決まるわけではありません。土地の立地や形状、道路との関係、建物の状態、設備、外構など、さまざまなポイントを総合的に確認します。
特に、長期間管理されていなかった空き家は、通常の住宅よりも劣化が進んでいる可能性があります。
今回は、空き家の査定でマイナスになりやすいポイント10選を紹介します。
「これがあるから絶対に売れない」という意味ではありません。マイナス要素があっても、物件全体を見れば十分に売却できるケースはあります。
1.建物の老朽化が進んでいる
空き家の査定でまず確認されるのが、建物全体の状態です。
築年数が古いだけで必ず大きく減額されるわけではありませんが、老朽化が進んでいる場合は注意が必要です。
例えば、
・外壁のひび割れ
・屋根の劣化
・雨漏り
・床の沈み
・建具の不具合
・天井のシミ
・壁紙の剥がれ
などが多く見られる場合、購入後に修繕が必要になる可能性があります。
買主が修繕費用を負担することを考えると、その分が価格に反映されることがあります。
ただし、古い建物だからといって必ずしも建物価値がゼロになるとは限りません。
土地の立地や広さによっては、「古家付き土地」として売却する方法もあります。
2.雨漏りがある
雨漏りは、空き家の査定で特に注意したいポイントです。
屋根からの雨漏りだけでなく、外壁や窓周辺などから雨水が入り込んでいるケースもあります。
雨漏りを長期間放置すると、天井や壁だけでなく、柱や梁など建物内部まで影響している可能性があります。
また、空き家は人が住んでいないため、雨漏りが発生していても気付きにくいという問題があります。
天井にシミがある、壁紙が浮いている、カビ臭いなどの症状がある場合は、一度確認しておくと安心です。
3.シロアリや害虫の被害がある
シロアリ被害も査定時に確認したいポイントです。
特に長期間使用していない木造住宅では、床下や水回りなどの状態を確認することが重要です。
床がフワフワする、柱や床下に傷みがある、木材に異常が見られるといった場合には、シロアリなどの被害が疑われることがあります。
シロアリ被害があるから売却できないわけではありませんが、補修や駆除などが必要になる可能性があるため、査定に影響することがあります。
4.室内に大量の荷物が残っている
相続した実家などでは、家具や家電、衣類、食器などが大量に残っていることがあります。
こうした「残置物」が多いと、購入希望者が室内を確認しにくくなるだけでなく、購入後に処分費用が必要になる可能性があります。
そのため、査定時に残置物の量がマイナス材料として考慮される場合があります。
ただし、売却前に必ずすべて処分しなければならないとは限りません。
残置物の処分には費用がかかるため、先に査定を受けて、現状のまま売却できるのか確認することも大切です。
5.庭や敷地が荒れている
空き家では、建物だけでなく庭の状態も重要です。
長期間放置された庭では、
・雑草が伸び放題
・庭木が大きくなっている
・隣地へ枝が越境している
・害虫が発生している
・排水が悪くなっている
などの問題が発生することがあります。
特に庭木が道路や隣地、電線などにかかっている場合は、売却前に確認しておきたいポイントです。
ただし、庭が荒れているからといって、高額な造園工事をする必要があるとは限りません。
まずは最低限の管理で改善できるのか、不動産会社に相談してみましょう。
6.雨戸・シャッターなどが壊れている
空き家では、雨戸やシャッターが長期間使用されていないことで、開閉できなくなっていることがあります。
原因としては、サビ、レールの変形、部品の劣化、ゴミの詰まりなどが考えられます。
雨戸やシャッターの不具合だけで査定価格が大幅に下がるとは限りませんが、複数の設備に故障がある場合には、建物全体の管理状態として見られることがあります。
また、内覧時に雨戸が開かないと、室内が暗くなり、購入希望者が建物の状態を確認しにくくなることもあります。
7.水回りの設備が使えない
キッチン、浴室、洗面所、トイレなどの水回りは、購入希望者が特に気にする部分です。
長期間空き家になっていると、
・水が出ない
・排水口から臭いがする
・トイレが流れない
・給湯器が故障している
・水栓から水漏れしている
などの問題が発生することがあります。
ただし、水回り設備が古いからといって、すべて交換してから売却する必要はありません。
設備の状態と交換費用を確認し、現状のまま売るのか、修理するのかを判断することが大切です。
8.擁壁やブロック塀に問題がある
高低差のある土地では、擁壁の状態も重要です。
擁壁にひび割れがある、傾いている、表面が大きく劣化しているなどの場合には、買主が安全性を心配する可能性があります。
また、古いブロック塀やフェンスなどが劣化している場合も、修繕や撤去が必要になることがあります。
特に擁壁は土地を支える構造物なので、見た目だけで安全性を判断するのは危険です。
気になる症状がある場合には、必要に応じて専門家への相談も検討しましょう。
9.接道条件や土地の形状に問題がある
空き家の査定では、建物だけでなく土地そのものも非常に重要です。
例えば、
・道路に十分接していない
・前面道路が狭い
・旗竿地になっている
・土地の形が特殊
・高低差が大きい
・車の出入りがしにくい
といった条件は、購入希望者の住宅建築や利用方法に影響する場合があります。
特に「再建築できるのか」という点は重要です。
現在建っている家をそのまま利用できても、将来建て替えができない土地であれば、買主の選択肢が限られる可能性があります。
そのため、空き家の査定では建物だけを見るのではなく、道路や土地の法的な条件まで確認する必要があります。
10.境界や権利関係がはっきりしていない
最後に確認したいのが、土地の境界や権利関係です。
長期間所有している土地では、
「隣地との境界がよく分からない」
「境界標が見つからない」
「昔の測量図しかない」
といったケースがあります。
また、相続した空き家では、名義変更が完了していなかったり、共有名義になっていたりする場合もあります。
こうした問題は、売却手続きの進め方や費用、スケジュールに影響する可能性があります。
そのため、査定を依頼する段階で、登記関係や測量資料など、手元にある資料をできるだけ不動産会社へ見せておくとよいでしょう。
マイナスポイントがあっても売却を諦める必要はない
ここまで10個のマイナスポイントを紹介しましたが、重要なのは、一つでも該当したら売却できないということではないという点です。
例えば、建物が古くても土地の立地が良ければ、土地を目的として購入したい人がいるかもしれません。
庭が荒れていても、草木の管理をすれば改善できる可能性があります。
雨漏りや設備の故障があっても、買主がリフォームすることを前提に現状のまま売却できるケースもあります。
不動産の査定では、一つの欠点だけを見るのではなく、土地・建物・道路・周辺環境・市場性などを総合的に判断することが重要です。
売却前にリフォームや修理をしすぎない
空き家を売るときにありがちな失敗が、「少しでも高く売るために、先にたくさんお金をかけて修理してしまう」ことです。
もちろん、最低限の清掃や簡単な補修によって印象が良くなる場合もあります。
しかし、大規模なリフォームや設備交換をしたからといって、その費用分だけ売却価格が上がるとは限りません。
特に築年数が古い空き家では、買主自身が好きなようにリフォームしたいと考えるケースもあります。
そのため、修理するかどうかは、まず査定を受けてから判断することをおすすめします。
空き家の査定では「マイナス」だけでなく「プラス」も見る
査定ではマイナスポイントだけでなく、プラスになる部分も重要です。
例えば、
・駅や生活施設へのアクセスが良い
・土地が広い
・駐車スペースがある
・日当たりが良い
・前面道路の条件が良い
・整形地で利用しやすい
・周辺環境が良い
などです。
建物に古さがあっても、土地に魅力があれば売却につながる可能性があります。
「家がボロボロだから価値がない」と決めつけず、土地と建物を総合的に見てもらうことが大切です。
まとめ|空き家の査定は「悪いところ」だけで決まらない
空き家の査定でマイナスになりやすいポイントとして、
1.建物の老朽化
2.雨漏り
3.シロアリ・害虫被害
4.大量の残置物
5.荒れた庭
6.雨戸・シャッターの不具合
7.水回り設備の故障
8.擁壁・ブロック塀の問題
9.接道条件・土地形状の問題
10.境界・権利関係の問題
などがあります。
ただし、これらに該当するからといって、必ずしも売却できないわけではありません。
大切なのは、空き家の状態を正確に把握し、必要以上に修理やリフォームをする前に査定を受けることです。
特に相続した実家や長期間放置していた空き家では、「古いから売れない」と思い込んでしまう方もいます。
しかし、土地の立地や広さ、道路条件などに魅力があれば、古い建物が付いた状態でも売却方法を検討できる場合があります。
修理してから売るのか、現状のまま売るのか、解体して更地にするのかなど、最適な方法は物件によって異なります。
空き家の売却を考えているなら、まずは現在の状態をそのまま不動産会社に見てもらい、**「この物件にはどんな売り方が合っているのか」**を確認するところから始めてみましょう。


