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空き家の擁壁にひび割れがある場合、売却できる?|確認すべきポイントと注意点

空き家を売却しようとしたとき、「擁壁にひび割れがあるけど、この状態でも売却できるの?」と不安になる方は少なくありません。

特に、斜面や高低差のある土地に建っている住宅では、敷地を支えるために擁壁が設置されていることがあります。

長年空き家になっていると、擁壁に細かなひび割れが入っていたり、表面が剥がれていたり、コンクリートが劣化していたりすることもあります。

結論からいうと、擁壁にひび割れがあるからといって、必ずしも売却できないわけではありません。

ただし、ひび割れの場所や大きさ、広がり方、擁壁の構造、土地の高低差などによっては、購入希望者から不安視されたり、補修費用などを考慮して価格に影響したりする可能性があります。

今回は、空き家の擁壁にひび割れがある場合に、売却前に確認しておきたいポイントについて解説します。

目次

そもそも擁壁とは?

擁壁とは、土地に高低差がある場合に、土砂が崩れるのを防ぐために設置される壁のことです。

例えば、道路より敷地が高くなっている住宅や、隣地よりも土地が高い住宅では、敷地の土を支えるために擁壁が設置されていることがあります。

擁壁には、コンクリート造やブロックを使用したもの、石積みのものなど、さまざまな種類があります。

一見すると「ただの壁」に見えるかもしれませんが、擁壁は土地を支える重要な構造物です。

そのため、空き家を売却する際には、建物だけではなく、擁壁の状態についても確認しておく必要があります。

擁壁にひび割れがあっても売却できる?

先ほども説明したように、擁壁にひび割れがあるからといって、直ちに「売却できない」ということにはなりません。

実際の不動産取引では、建物や土地に何らかの劣化や不具合がある物件が売買されることは珍しくありません。

重要なのは、

・どの程度のひび割れなのか
・ひび割れがどこにあるのか
・ひび割れが広がっているのか
・擁壁が傾いていないか
・水が漏れ出していないか
・土地や擁壁に変形がないか
・過去に補修したことがあるか

などを確認することです。

単純に「ひび割れがある」という一点だけでは、擁壁の安全性や売却への影響を判断することはできません。

注意したいのは「ひび割れの大きさ」だけではない

擁壁のひび割れを見ると、多くの方は「何センチのひび割れなら危険なの?」と考えるかもしれません。

しかし、ひび割れは大きさだけで判断できるものではありません。

例えば、同じような幅のひび割れでも、表面的な仕上げ部分だけに発生しているものと、擁壁の構造に関係する部分まで達しているものでは意味が異なります。

また、ひび割れが横方向に入っているのか、縦方向なのか、斜め方向なのか、複数のひび割れが連続しているのかなどによっても確認すべきポイントは変わります。

さらに、ひび割れだけではなく、擁壁そのものが前に傾いていないか、壁が膨らんでいないか、地盤が沈下していないかなども重要です。

そのため、写真だけで安全性を判断するのではなく、必要に応じて専門家による確認を検討しましょう。

擁壁から水が出ている場合も要チェック

擁壁を確認するとき、ひび割れだけでなく「水」の状態も重要です。

擁壁には、背面にたまった雨水などを排出するための排水設備が設けられている場合があります。

しかし、排水がうまく機能していなかったり、水抜き穴が詰まっていたりすると、擁壁に水圧がかかる可能性があります。

特に、

・擁壁から大量の水が出ている
・水が常に染み出している
・水抜き穴が詰まっている
・擁壁の周辺が常に湿っている
・雨が降った後に状態が大きく変化する

といった場合には注意が必要です。

空き家は普段人が住んでいないため、こうした変化に気付きにくいという問題もあります。

擁壁が傾いている場合は特に注意

ひび割れ以上に注意したいのが、擁壁そのものの傾きです。

例えば、以前は垂直だった擁壁が道路側に傾いている、壁の一部が膨らんでいる、ブロックがずれているなどの状態が見られる場合は、単なる表面の劣化とは考えず、慎重に確認する必要があります。

擁壁は土を支えているため、状態によっては土地そのものの利用や建物計画にも関係してきます。

売却を考えている場合は、自己判断で「大丈夫だろう」と決めつけず、不動産会社などに現状を見てもらい、必要に応じて建築士や擁壁・構造に詳しい専門家へ相談することが大切です。

古い擁壁は「築年数」も確認

空き家の擁壁では、築年数や設置された時期も重要な情報になります。

かなり古い擁壁の場合、現在の基準だけでなく、当時どのような方法で造成・設置されたものなのかを確認する必要がある場合があります。

特に、

「いつ造られた擁壁なのか分からない」

「前所有者から何も聞いていない」

「昔の造成資料が残っていない」

というケースでは、売却前にできる範囲で資料を集めておくと安心です。

自治体によっては、造成や擁壁、開発などに関する資料を確認できる場合もあります。

ただし、保存されている資料や確認方法は自治体によって異なるため、物件所在地の行政窓口に確認することをおすすめします。

擁壁を修理してから売却した方がいい?

擁壁にひび割れがあると、「売却する前に修理した方が高く売れるのでは?」と考える方もいるでしょう。

しかし、必ずしも売却前に修理した方がいいとは限りません。

擁壁の補修や造り替えには、状態によって大きな費用がかかる可能性があります。

例えば、単純な表面補修で済むケースと、擁壁そのものを造り替える必要があるケースでは、費用が大きく異なります。

数十万円程度の補修で済む場合もあれば、工事内容によってはそれ以上の費用が必要になる可能性もあります。

そのため、「売るためにとりあえず修理する」のではなく、まずは現状のままで査定を受けることをおすすめします。

「現状のまま売却」という選択肢もある

擁壁に問題がある場合でも、現状を買主に説明したうえで、その状態のまま売却する方法があります。

いわゆる「現況のまま」の売却です。

この方法であれば、売主が高額な費用を負担して擁壁を修理してから売り出す必要がない場合があります。

もちろん、実際にどのような条件で売却できるかは物件ごとに異なります。

買主が擁壁の状態を理解したうえで購入する場合には、補修費用などを考慮して価格交渉が行われることもあります。

だからこそ、売却前に「修理する・しない」を決めつけるのではなく、まずは不動産会社に相談して、現状の市場性や想定される費用を確認することが重要です。

擁壁の状態は売主からきちんと伝える

擁壁にひび割れがある場合、売却時にはその状態を適切に伝えることが大切です。

「売却後に問題になるのが怖いから、ひび割れについて何も言わない」という考え方はおすすめできません。

売主が把握している不具合や過去の補修履歴などについては、契約時の告知や説明に関係する可能性があります。

また、売却後に買主から「聞いていた話と違う」とトラブルになることを避けるためにも、分かっていることは不動産会社へ正確に伝えておきましょう。

ひび割れの写真や、過去に修理した際の領収書・工事資料などが残っている場合は、これらも整理しておくと役立ちます。

空き家は擁壁の劣化に気付きにくい

空き家の場合、擁壁の状態がさらに悪化していても、所有者が気付かないケースがあります。

人が住んでいれば、雨が降った後の水の流れや、庭の変化、擁壁のひび割れなどに気付くことがあります。

しかし、長期間誰も住んでいない空き家では、数か月、場合によっては数年間状態を確認していないこともあります。

その間に、

・ひび割れが広がる
・雑草や樹木が擁壁周辺に繁茂する
・排水設備が詰まる
・擁壁表面が劣化する
・地盤や周辺の状態が変化する

といったことも考えられます。

空き家を所有している場合は、建物内部だけでなく、外構や擁壁、敷地周辺も定期的に確認することが重要です。

擁壁がある物件は査定時に必ず伝えよう

不動産会社に査定を依頼する際には、「擁壁にひび割れがあります」と最初に伝えておくことをおすすめします。

そのうえで、

「いつ頃からあるのか」

「以前に補修したことがあるか」

「雨の日に水が出るか」

「擁壁が傾いているように見えるか」

など、分かる範囲で情報を伝えましょう。

専門家でなければ判断できない部分について、無理に結論を出す必要はありません。

「このひび割れは危険です」と自己判断するよりも、「この場所にこのようなひび割れがあります」と事実を伝える方が重要です。

まとめ|擁壁にひび割れがあっても売却できる可能性はある

空き家の擁壁にひび割れがあるからといって、必ず売却できないわけではありません。

重要なのは、ひび割れの有無だけではなく、擁壁の構造や状態、傾き、排水状況、土地の高低差、過去の補修履歴などを総合的に確認することです。

また、擁壁の補修には大きな費用がかかる可能性があるため、売却前に自己判断で工事をするのではなく、まずは現状のまま査定を受けることも一つの方法です。

特に相続した空き家や、長期間放置していた住宅の場合、「擁壁が古いから売れない」と諦めてしまうのは早いかもしれません。

ひび割れのある擁壁でも、物件の立地や土地の条件、建物の状態などを含めて総合的に判断することで、売却方法を検討できるケースがあります。

「擁壁にひび割れがあるけど、このまま売却できる?」

「修理してから売った方がいい?」

「擁壁の状態が査定価格にどの程度影響する?」

このような疑問がある場合は、まず不動産会社に現状を見てもらい、修理費用と売却価格のバランスを考えることが大切です。

空き家の売却では、建物だけでなく、擁壁や外構、道路、境界など土地に関する部分まで確認することで、後々のトラブルを防ぎやすくなります。

「古いから売れない」「ひび割れがあるから売れない」と決めつけず、まずは現在の状態でどのような売却方法があるのか相談してみましょう。

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