空き家の内覧や査定の際、不動産営業が床だけでなく、壁と床の境目に取り付けられている「巾木(はばき)」を確認していることをご存じでしょうか?
普段の生活ではあまり意識することのない巾木ですが、実は建物の劣化状況を把握するための重要なチェックポイントの一つです。
巾木に浮きや変色、隙間などが見られる場合、単なる経年劣化だけでなく、湿気や水漏れ、シロアリ被害などが関係している可能性があります。
特に、長期間人が住んでいない空き家では、劣化に気付かないまま症状が進行していることもあります。
今回は、不動産営業が空き家の巾木を見る理由や、確認しているポイント、売却前に知っておきたい対処法について解説します。
1. そもそも巾木とは?
巾木とは、壁と床が接する部分に取り付けられている細長い部材のことです。
壁の最下部に取り付けられており、掃除機や家具などが壁にぶつかった際の傷を防いだり、壁と床の境目をきれいに見せたりする役割があります。
一見すると装飾のための部材に思えますが、巾木の状態を確認することで、周辺の壁や床に異常がないかを判断する手掛かりになることがあります。
そのため、不動産営業が建物の状態を確認する際には、床や壁だけでなく、巾木にも目を向けるのです。
2. 不動産営業が空き家の巾木を見る5つの理由
① 雨漏りや水漏れの影響を確認するため
巾木に変色やシミ、膨らみなどがある場合、雨漏りや水漏れの影響を受けている可能性があります。
例えば、外壁や窓の周辺から雨水が入り込むと、壁の内部や床付近に水分が広がることがあります。また、キッチンや洗面所などの水回りで水漏れが発生すると、床や壁の下部が傷む場合もあります。
巾木が変色していたり、表面が剥がれていたりする場合は、周辺の壁や床にも異常がないか確認することが大切です。
ただし、巾木の変色だけで雨漏りや水漏れと断定することはできません。ほかの症状と合わせて原因を判断する必要があります。
② 湿気やカビの発生を確認するため
空き家は、長期間窓を開ける機会が少なく、換気が不足しやすい傾向があります。
室内に湿気がこもると、壁の下部や床付近にカビが発生することがあります。巾木に黒ずみや変色が見られる場合は、周辺の壁紙や床にカビが発生していないか確認する手掛かりになります。
また、カビ臭さがある場合は、目に見えない場所で湿気の影響が出ている可能性も考えられます。
ただし、黒ずみや臭いだけでは原因を特定できないため、必要に応じて専門業者による調査を検討しましょう。
③ シロアリ被害の兆候を確認するため
巾木の一部がボロボロになっていたり、表面に不自然な穴や崩れが見られたりする場合は、シロアリ被害などの可能性も考えられます。
シロアリは木材を食害するため、被害が進むと床や壁の下部に異常が現れることがあります。
ただし、巾木の傷みは、衝撃や経年劣化、湿気などでも起こります。巾木だけを見てシロアリ被害と判断することはできません。
床下や周辺の木材なども含めて確認し、疑わしい症状がある場合は専門業者に相談することが大切です。
④ 床の沈みや壁との隙間を確認するため
巾木と床の間に隙間ができていたり、巾木が浮いていたりする場合は、床材や下地の状態を確認する必要があります。
例えば、床材が反っている、床を支える部分が劣化している、建物の動きによって部材にずれが生じているなど、さまざまな原因が考えられます。
一方で、施工時の状態や経年変化によって隙間ができているケースもあります。
そのため、巾木の隙間だけで建物に重大な問題があるとは限りません。床の沈みやきしみ、壁のひび割れなど、ほかの症状も合わせて確認します。
⑤ 修繕が必要な範囲を把握するため
不動産営業が巾木を確認する理由は、建物の不具合を探すことだけではありません。
売却を検討している物件では、どの部分に修繕が必要なのか、どの程度の費用がかかりそうなのかを考えることも重要です。
例えば、巾木の表面に傷があるだけなら、部分的な補修や交換で対応できる場合があります。一方で、水漏れや床下の腐食が原因であれば、巾木だけを交換しても根本的な解決にはなりません。
表面だけをきれいにするのではなく、原因を確認することが大切です。
3. 巾木のこんな症状には注意!
空き家を所有している方は、次のような症状がないか確認してみましょう。
- 黒ずみやシミがある: 湿気や水分の影響を受けている可能性
- 表面が膨らんでいる: 水分や素材の劣化などの可能性
- 巾木が浮いている: 接着部分の劣化や部材の動きなどの可能性
- 一部がボロボロになっている: 経年劣化、衝撃、害虫被害などの可能性
- 床との間に隙間がある: 床材や下地の状態を確認する手掛かり
- カビ臭さがある: 周辺や内部に湿気がこもっている可能性
これらはあくまで確認の目安です。症状だけで原因を決めつけず、必要に応じて専門家に調査を依頼しましょう。
4. 空き家の巾木が傷んでいたら、売却前に直すべき?
空き家の巾木に傷みがあると、「売却する前に交換した方がいいのだろうか」と悩む方もいるでしょう。
しかし、必ずしも売却前に修繕しなければならないわけではありません。
巾木の表面だけが傷んでいる場合と、壁の内部や床下まで劣化している場合では、必要な対応が異なります。原因を確認せずに修繕すると、費用をかけたのに根本的な問題が解決しない可能性もあります。
まずは不動産会社に物件の状態を相談し、修繕してから売却する方法と、現状のまま売却する方法を比較することが大切です。
現状のまま売却する場合も、把握している不具合については買主に適切に伝え、契約上の取り扱いを確認しましょう。
5. 巾木の傷みが気になる空き家もご相談ください
長期間放置していた空き家では、巾木の傷み以外にも、雨漏りや床の劣化、設備の故障などが見つかることがあります。
「古い家だから売れないのではないか」「修繕費用が高くなりそうで不安」と感じていても、すぐに売却を諦める必要はありません。
株式会社INfinityでは、不動産の買取・販売・仲介を行っています。建物の状態や修繕の必要性を踏まえながら、物件に合った売却方法を検討することが大切です。
空き家の巾木に変色や浮きがある場合は、見た目だけで判断せず、まずは原因を確認してみましょう。
修繕するべきか、現状のまま売却できるのか迷っている方は、お気軽にご相談ください。


