空き家を久しぶりに見に行ったら、「庭にキノコがたくさん生えていた」という経験はありませんか?
庭にキノコが生えていると、「雨が多かったからかな」「雑草と同じように抜けばいいかな」と考えてしまうかもしれません。
実際、キノコそのものが生えているだけで、すぐに家に重大な問題があるとは限りません。しかし、キノコが生えている環境そのものに注意が必要なケースがあります。
空き家は、人が住んでいる住宅と比べて庭の手入れや換気などが行われなくなるため、湿気がこもったり、落ち葉や枯れ木が溜まったりしやすくなります。
こうした環境がキノコの発生につながることがあります。
今回は、空き家の庭にキノコが生えていた場合に確認したいポイントや、放置することで考えられる問題、売却前にどこまで対応すればよいのかについて解説します。
なぜ空き家の庭にキノコが生えるの?
キノコが発生する原因として、まず考えられるのが湿気です。
雨が降った後に水が抜けにくい場所や、日当たりが悪く風通しの悪い場所では、土壌が湿った状態になりやすくなります。
さらに空き家では、
・庭木が伸び放題になっている
・雑草が増えている
・落ち葉が溜まっている
・枯れ枝や木材が放置されている
・物置などの周辺が湿っている
・長期間庭の手入れをしていない
といった状態になりやすく、キノコが生育しやすい環境ができることがあります。
つまり、庭にキノコが生えていること自体よりも、なぜそこにキノコが生える環境になっているのかを見ることが大切です。
キノコが生えている=家が腐っている?
これは必ずしもそうとは限りません。
庭の土からキノコが生えているだけで、「建物が腐っている」と判断することはできません。
キノコは、土の中の有機物や落ち葉、枯れ木などを栄養源として発生することもあります。
一方で、建物のすぐそばにキノコが大量に発生している場合や、庭だけではなく建物の木部などにも異常が見られる場合は、周辺環境を含めて確認した方がよいでしょう。
例えば、
「家の北側だけ異常に湿っている」
「基礎の周辺に水が溜まっている」
「木材を置いていた場所から大量に発生している」
など、キノコが発生する原因となる環境がないか確認してみましょう。
特に注意したいのが「腐った木材」
空き家の庭でキノコを見つけたときには、周辺に枯れ木や腐った木材がないかを確認することも重要です。
庭木の切り株、倒木、古い木材、放置された枝などが長期間湿った状態になっていると、そこからキノコが発生することがあります。
また、古い物置や木製の構造物などがある場合も、周辺の状態を確認しておきたいところです。
キノコだけを抜いて終わりにするのではなく、発生している場所を確認することで、庭の環境を把握しやすくなります。
空き家の庭にキノコが増えると見た目にも影響する
キノコが少し生えている程度なら大きな問題にならない場合もあります。
しかし、空き家の庭全体にキノコが増えてくると、管理されていない印象につながります。
特に売却を考えている場合、購入希望者が現地を見た際に、
「庭がかなり荒れている」
「長期間管理されていないのでは?」
「ほかにも見えないところに問題があるのでは?」
と感じる可能性があります。
不動産の売却では、建物そのものだけでなく、庭や外構を含めた物件全体の印象も重要です。
キノコ1本だけで査定額が決まるわけではありませんが、庭の荒れ、雑草、枯れ木、落ち葉などが重なっている場合は、管理状態を確認するきっかけになります。
キノコを見つけたら、とりあえず触っても大丈夫?
ここは注意が必要です。
庭に生えているキノコには、食用として利用できるものだけでなく、毒性を持つものもあります。
そのため、種類が分からないキノコを「食べられそう」と自己判断するのは避けましょう。
また、素手で触ること自体が必ず危険という意味ではありませんが、種類を特定できないものを不用意に扱う必要もありません。
特に小さな子どもやペットが出入りする場所では、誤って口に入れてしまわないよう注意が必要です。
撤去する場合も、キノコだけを取れば十分なのか、発生源となっている木材なども処理する必要があるのかを確認しましょう。
雨が続いた後だけ生える場合もある
キノコは、空き家に限って発生するものではありません。
一般の住宅でも、雨が続いた後などに庭から突然キノコが生えてくることがあります。
そのため、
「キノコが生えている=空き家の状態が悪い」
と単純に考える必要はありません。
例えば、普段は乾燥している庭でも、まとまった雨が降った後に一時的にキノコが発生することがあります。
重要なのは、一度だけなのか、それとも何度も繰り返し発生しているのかという点です。
何度も同じ場所から発生する場合には、湿気、水はけ、日当たり、腐った木材など、根本的な原因を確認してみましょう。
キノコが生える場所にも注目
空き家を確認するときは、キノコの「数」だけでなく「場所」にも注目してみましょう。
例えば、
① 庭の土から生えている
落ち葉や腐葉土などが原因で発生している可能性があります。
② 切り株から生えている
木材の腐朽が進んでいる可能性があります。
③ 古い木材の周辺から生えている
放置された木材が湿っている可能性があります。
④ 建物の基礎周辺から生えている
周辺の水はけや湿気の状態を確認したい場所です。
⑤ 庭全体に大量に生えている
庭全体が湿っていたり、管理不足によって環境が変化している可能性があります。
このように、どこから発生しているのかを見ることで、原因を考える手がかりになります。
空き家の売却前にキノコを全部撤去した方がいい?
「売却するなら庭のキノコを全部取り除いた方がいいの?」
という疑問もあるでしょう。
基本的には、購入希望者が見たときに不快に感じるような状態であれば、可能な範囲で庭を整理しておくことは一つの方法です。
ただし、キノコだけを取り除けばすべて解決するとは限りません。
例えば、庭木が密集して日当たりが悪い、枯れ木が放置されている、水はけが悪いなどの原因がある場合、再びキノコが発生する可能性があります。
そのため、売却前には「キノコを取る」という一点だけではなく、
・雑草
・庭木
・落ち葉
・枯れ枝
・切り株
・古い木材
・水たまり
・排水状態
などをまとめて確認するとよいでしょう。
お金をかけて庭をきれいにする必要はある?
空き家を売却する際、「庭を全部きれいにしてから売りたい」と考える方もいます。
しかし、ここでも注意が必要です。
庭の大規模な剪定や伐採、抜根、整地などには費用がかかります。
その費用をかけたからといって、必ずしも売却価格が同じだけ上がるとは限りません。
特に建物が古い空き家の場合、購入者が土地として購入することを想定しているケースもあります。
そのため、売却前に高額な費用をかける前に、現在の状態のまま査定を受けることも選択肢です。
査定を受けたうえで、「ここだけは対応した方がよい」という部分を判断すると、無駄な出費を抑えやすくなります。
キノコよりも「水はけ」の方が重要な場合も
空き家の庭にキノコが生えていた場合、キノコそのものだけに注目するのではなく、水がどこに流れているのかも確認してみましょう。
雨が降った後、特定の場所だけ水が溜まっていないでしょうか?
側溝が落ち葉で詰まっていないでしょうか?
雨樋から流れた水が庭に集中していないでしょうか?
建物の基礎周辺がいつも湿っていないでしょうか?
こうした状態があれば、キノコが生える原因の一つになっている可能性があります。
また、建物周辺の水はけの悪さは、キノコだけでなく、コケやカビ、庭木の根、害虫など、さまざまな問題につながることがあります。
「キノコがある」ことより「なぜ生えたか」を見る
空き家の庭にキノコが生えていると、つい「キノコを抜かなければ」と考えてしまいます。
しかし、重要なのはキノコそのものだけではありません。
「なぜそこにキノコが生えたのか?」
という視点で庭を見ることが大切です。
湿気が多いのか、水はけが悪いのか、落ち葉が溜まっているのか、腐った木材があるのか、庭木が密集しているのか。
原因を確認することで、空き家の管理状態を把握することができます。
空き家の庭にキノコが生えていても、すぐに売れないとは限らない
最後に大切なのは、庭にキノコが生えているからといって、その空き家が売却できなくなるわけではないということです。
不動産の査定では、キノコ1つだけを見るのではなく、土地の広さや形状、立地、道路、建物の状態、周辺環境、権利関係など、さまざまな条件を総合的に確認します。
キノコが生えている場合も、「庭が荒れている」という一つの要素として確認されることはありますが、それだけで物件の価値が決まるわけではありません。
むしろ、長期間放置していることで、雑草や庭木、水はけ、建物の劣化など別の問題が進行していないかを確認することが重要です。
空き家を売却しようと考えている場合は、見た目をきれいにするために最初から多額の費用をかけるのではなく、まず現在の状態を専門家に見てもらいましょう。
「庭にキノコが生えているから売れない」と決めつける必要はありません。
キノコをきっかけに、空き家全体の管理状態を確認する。
これが、空き家を長期間放置しないためにも、売却を検討するうえでも大切なポイントです。


